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レセプトのオンライン請求の義務化はいつから?どう変わるのかも解説

レセプトのオンライン請求義務化

「レセプトのオンライン請求はいつから義務化されるの?」と疑問をお持ちの方へ。

令和5年3月の原請求分からオンライン請求へ移行する計画案を厚生労働省が示しました。

最終的には令和6年度中に紙返戻を取りやめて、レセプトはオンライン請求で行うことをめざします。

そこで、今回はレセプトのオンライン請求の義務化について、どのように変わるのか、世間の反応を解説します。

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レセプトのオンライン請求への移行

診療報酬明細書・レセプト

厚生労働省は令和5年3月22日、社会保障審議会(医療保険部会)に、紙や光ディスクで請求する医療機関に対して、オンライン請求への移行をめざすロードマップ案を示しました。

オンライン請求への移行は、令和6年9月末が期限です。

紙レセプト請求者に対しては、令和6年4月以降は新規適用を終了する方針で進めています。

ただし、法的に義務化されたわけではなく、実質義務化で計画案を示しているのが現状です。

医療機関には少なからず負担がかかり、混乱や反対する意見もあります。

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レセプトのオンライン請求

ここからは、レセプトのオンライン請求が必要な医療機関や、移行期間、オンライン請求の流れなどの概要を説明します。

レセプトオンライン請求をする必要のある医療機関

レセプトをオンライン請求をする必要のある医療機関は、

  • 診療所や病院
  • 歯科医院
  • 調剤薬局

が挙げられます。

次に、令和5年1月処理分の時点でのレセプトオンライン請求率をみてみましょう。

医科や調剤薬局は、オンライン請求率が光ディスクや紙レセプトを上回っています。

ただし、歯科医院は光ディスクが一番多く、オンライン請求をしているのは3割程度とわかっています。

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オンライン請求への移行期間

オンライン請求への移行は、令和6年9月末をめざしています。

将来的には100%にオンライン請求の割合を近づけるとしていたものを、期限を区切り義務化する方針を立案したのです。

そのため、令和5年4月上旬に返戻された分の再請求を行う場合にも、オンライン請求システムを利用して返戻データをダウンロードした後、オンラインで再請求をしなくてはならなくなりました。

 

オンライン請求の流れ

レセプトオンライン請求は、以下のように申請します。

  1. オンライン請求を開始の申請
  2. 設定ツールなどを発送
  3. 電子証明書発行申請を提出
  4. 手続き完了後、電子証明書発行通知書が発送

詳しい流れや利用者負担額を知りたい方は、以下のページを参考にしてください。

(出典:社会保険診療報酬支払基金_保険医療機関・保険薬局に係るオンライン請求 より)

 

レセプトのオンライン請求に対する世間の反応

レセプト請求とは

ここからは、レセプトのオンライン請求に対する世間の反応をみてみましょう。

 

「義務化」方針の撤回を求める

診療報酬オンライン請求の「義務化」方針を撤回するように求める声明を全国保険医団体連合会が発表しました。

オンライン請求の実施は、医療機関に不安や負担を与え混乱を招いているとわかります。

(出典:全国保険医団体連合会_診療報酬オンライン請求「義務化」方針の撤回を求める(声明)より)

 

反対意見が多い理由

廃止(廃院)を省く医療機関において、令和5年度末をめざしてオンライン請求を実施しない反対意見をみてみましょう。

  • オンライン請求の方法がわからない
  • 情報セキュリティー上の不安がある
  • 費用の負担がかかる
  • 高齢である
  • 請求件数が少ない

などが多く挙げられました。

(出典:厚生労働省:第164回社会保障審議会医療保険部会 資料1 より)

オンライン請求を行っていない医療機関や薬局がオンライン請求を実施するためのハードルのひとつは、オンライン請求の方法がわからないことです。

経営者を含めたスタッフがシニア世代であることや、そもそも請求件数が少なくてオンライン請求が手間に感じる医療機関は、オンライン請求にすることに踏み出せないことも。

また、オンライン請求をするのであれば、光ディスクや紙レセプトとは異なる方法になるため、専用の機器を導入しなくてはなりません

その費用は医療機関や薬局が負担する必要があるため、オンライン請求への反対意見が多くなるとわかります。

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歯科の6割が甚大な影響を受ける

厚生労働省は、紙レセプトや光ディスクで請求している医療機関に対してアンケートを行った上で、レセプトのオンライン請求への移行計画を示しました。

しかし、オンライン請求に要する移行期間を、「1年以上」と回答する歯科医院や、「わからない」と回答した歯科医院は6割にのぼります。

また、オンライン請求を開始するかどうかについては、予定がないと回答したのは47%と半数近くの歯科医院が、移行することを考えていません。

歯科医院は、小規模施設が多いことや、人手が足りていないことから「光ディスクによる請求」を選択しているのが6割とわかっており、混乱を招いています。

このことから、レセプトのオンライン請求が負担となり、廃業・廃院に追い込まれるリスクも捨てきれません。

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レセプト請求のオンライン化をめざす

世間では反対意見もありますが、レセプト請求がオンライン化されれば、保険者側の負担が減る、医療費の不正請求が防げる、医療データが共有できる、返戻レセプトをデータで受け取れるなどといったメリットがあります。

そのため、レセプト請求は令和6年9月末をめざしてオンライン化する取り組みが進んでいるのが現状です。

 

2024年10月以降に光ディスク等を用いた請求を継続するためには

厚生労働省によると、2024年10月以降も光ディスク等を用いた請求を継続する場合には、2024年8月末までにオンライン請求への移行計画書とともに届出を提出する必要がありました。

すでに期限は過ぎていますので、該当する場合には手続き済みと思われますが、移行計画書は最大1年の内容として定める必要があるとされ、計画に基づいた早めのオンライン請求への移行を実施する必要があります。