増患・集患 

訪問歯科は儲かる?半径16キロから集患できる!未来を照らす有効な施策

40~50年前の日本には歯が悪い人が多かったので、簡単に言ってしまえば歯科医院を開業すると「儲かる」といえました。

けれども、歯科医院の数がコンビニよりも多いといわれて久しくなりますが、
今後ますます競争の激化が予想されます。

保険制度さえあれば赤字になることはないといわれていた歯科医院の経営も、
何らかの強みがなければ、将来的に経営が暗礁に乗り上げてしまう可能性がでてきました。

少子化や働き方の変化による人材不足で、
今後さらに歯科衛生士の確保も難しくなっていくことでしょう。

確実に稼ぐために何らかの施策を講じなければというとき、
インプラントなどの「自費診療」を増やしたいと考えがちですが、
果たして方法はそれだけでしょうか。

それならば「訪問歯科」はどうでしょう?
外来の空いている時間を有効活用できるのではないでしょうか。

関連記事:「めざせ自費率アップ!●●があれば自費診療の背中を押せる


インプラント等と、どちらが儲かるのか?

訪問歯科をやるからには、儲かるかどうかが気になるところです。

インプラントなどの自費診療と、どちらが儲かるのでしょうか。

インプラントは1本あたり30~40万円ほどですから、患者さん一人当たり何百万円単位もの売上になり得ます。

富裕層が多い地域でうまく受注すれば、非常に大きな収益を生み出すことも可能です。

ただし一度治療すれば長く持つため、ある程度の治療が終わればそこで頭打ちになります。

自費診療で安定した売上を立てようとすれば、どんどん新規の集患を追いつづけなければなりません。


歯科医の体力は40代がピークといわれていますから、院長自身が現役でたくさんの治療をこなす業務形態をとっていては、いつかは限界がきます。

勤務医や代診医を雇ったり分院を作ったりして、院長は医院経営に徹する方法もありますが、跡継ぎのご子息でないかぎり、いつまでも腕のいい歯科医を確保できる保証はありません。

また、外科手術を伴う治療ですからトラブルが起こらないともいえません。

場合によっては、多額の出費を要することもあります。

売上は大きいけれど、リスクも大きいのが自費診療です。


訪問歯科は半径16kmまで対象エリアが広がる

安全性からいえば訪問歯科に注力するのはおすすめですが、
果たして儲かるかどうかといえば、やり方によるでしょう。

ただ、外来でのマーケットエリアは近隣のみになりますが、訪問歯科では歯科医院の半径16kmまで広がります。

このメリットは大きいです。

将来の安定経営を考えると着手すべきといえるでしょう。


外来では、患者さん自身の住まいや公共交通機関の駅、職場からのアクセスの良さで通院する歯科が選ばれることが多いです。

主に徒歩や自転車で来院できる範囲をイメージすると良いでしょう。

徒歩1分は約80mですから、徒歩10分なら約800m。


つまり、歯科外来では、とても狭い商圏の中で向こうから来るのを待っている状態です。

その点、周辺16kmから集患できる訪問歯科なら、その範囲に大病院や老人ホームなどがあれば、すべてが診療対象となります。

それらの施設で診療できる権限さえ得られれば、十分、訪問歯科で儲かる可能性があるといえます。


訪問診療先の確保はどうする?

問題は、訪問歯科診療を行う施設の確保です。

もしこれから分院開業や新規開業を考えている段階なら、大病院や老人ホームなど、ツテのある施設が2~3件あれば、まずはそれぞれの16km範囲に入れる場所に拠点となる医院を作ります。


既存の場所で新しく訪問歯科を始める場合は、そのエリアの介護保険課や地域包括支援センターにいるケアマネージャーと、その地域で中心となって訪問診療を行っている医師に挨拶に行き、連携体制をつくります。

中には、自分で介護型ケアハウスなどの高齢者向け施設をつくってしまう院長もいます。


不動産投資をしている院長もいらっしゃいますが、少子化の時代、賃貸マンションは条件のよい物件でなければ借り手がつきにくく、空室を埋められないことも珍しくなくなってきました。

そうした事情から、訪問歯科に力を入れている院長の中には、自分で高齢者向け施設を建てて運営している人もいます。
これまでなら分院の院長を任せていたであろう勤務医に、高齢者向け施設の院長を任せているのです。

高齢者向け施設なら、いずれ施設を処分することになったとしても買い手がつきますが、歯科医院はなかなか買い手がつきにくい時代です。


将来性のある投資としても高齢者向け施設の経営は悪くない選択肢かもしれません。

ただし、運営の仕方によっては高齢者向け施設での口腔ケアは訪問診療に該当しなくなりますので要注意です。

とはいえ、メンテナンスの件数を確保できることは変わりありません。


優秀な歯科衛生士を集めやすい

さらに、訪問歯科には、良い歯科衛生士が集まりやすいという側面があります。

決して華やかでも楽でもない業務なので人気が高いわけではないですが、
向上心が高い歯科衛生士は、社会的意義のある訪問歯科を志し、訪問歯科を学ぶ機会を求めています。


メンテナンスだけであれば歯科医が同行せず、歯科衛生士だけで訪問歯科の業務を回してもらうことができます。

そういった特性を活かし、歯科衛生士が中心となった訪問歯科のチームをつくっている地域もあります。


ホワイトニングサロンのように歯科衛生士が独立開業することも可能なのです。

予防歯科の先進国、スウェーデンやアメリカではすでに行われていることですね。


また、訪問歯科は歯科衛生士にとっても短時間で高収入を得られるため、自由度や収入面でもメリットが大きい業務です。

今後は労働人口が減っていきますので、歯科衛生士の確保が難しくなります。

しかもベテランになる頃には結婚や子育てで、時短勤務を希望するようになります。


訪問歯科の稼働時間は、午前中~午後3時くらいまでの日中だけで十分なため、出産・子育てのために一度現場を退いたベテランの歯科衛生士を、パートやアルバイトとして雇用できる可能性が高くなります。


これまでと同じように外来を中心にした歯科経営を継続していると、いずれは最も患者さんが増える夕方からのピークの時間帯に歯科衛生士が確保できないという問題に陥る恐れもあります。


コロナ禍の今、スタート時期を慎重に検討する必要はあるでしょう。

それを踏まえた上でも、超高齢化社会・少子化が加速する未来を見据えた施策として、訪問歯科は稼ぐための施策として有効といえるのではないでしょうか。

関連記事:「自費率がアップする!歯科ホームページの作り方