歯科技工士 

【2024年最新】歯科技工士は年収500万? やめた方がいいと言われる理由とは 

歯科医師であれば年収1000万は少なくとも目指したいところでしょうし、歯科衛生士でも年収500万から800万クラスくらいまでは達成不可能ではないでしょう。

歯科助手も、トリートメントコーディネーターとして自身の価値を高めていけば高年収も狙えそうです。

では、歯科技工士の場合、年収はどれくらいを見込むことができるのでしょうか?

 

結論としては、年齢にもよりますが、一般的には400万から600万程度が目安といえます。

決して高収入とはいえませんが、一方で専門性の高い技術職ということもあり、最低ラインよりは一段階上の年収を安定してもらえるという特徴を持ちます。

今回はそんな、歯科技工士の年収や、よく「歯科技工士はやめた方がいい」と言われる理由について解説していきます。

歯科技工士の年収平均は465万

厚生労働省の就業者統計データによると、全国の歯科技工士の数は39320人(令和2年国勢調査)、一ヶ月の労働時間は172時間、賃金は年収465万円とされています。(令和5年賃金構造基本統計調査)

年齢別では、20代時点では200万〜300万スタートにはなるものの、年齢を重ねるごとに緩やかに増えていき、40歳を超えるあたりで年収400万を超えます。

その後は年収500万クラスに到達すると一旦頭打ちの様相となります。

 

(※厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag

 

一般的な平均と比較すると、やや高い、という水準といえます。

ただ、専門性の高さから、就職先にはそれほど困らないかもしれません。

 

歯科技工士は医療技術専門職

一般の方にしてみると、「歯科医師、歯科衛生士、歯科助手までは聞いたことがあるけれど、歯科技工士は聞いたことがない」、という方も中にはいらっしゃるかもしれません。

確かに、歯科技工士は基本的に、患者として来院した際に実際に出会って話をしたりするわけでもありませんから、馴染みがなくても仕方ありません。

しかし、歯科医療において、絶対に欠かすことができない医療技術専門職が、歯科技工士なのです。

 

歯科技工士になるには、高校卒業後に2年制・3年制の専門学校や短大、4年制の大学などの歯科技工士教育機関に入学し、2年以上勉強した上で知識と技能を習得することで、国家試験受験資格を得ることができます。

その上で、歯科技工士国家試験に合格することができれば、晴れて歯科技工士となり、歯科技工士名簿に登録することで歯科技工士免許が交付されます。

 

歯科技工士の就業先

歯科技工士の就職先としては、まずは学校への求人から選択し、一般的な歯科医院以外にも病院歯科技工所歯科器材・材料関連企業、歯科技工士教育機関などがあります。

そのほかにも、専門的な知識や技術を活かして海外で活躍するケースもあります。

 

業務内容として細かい指先作業が中心となり、精密かつ正確な技術が必要とされますし、細かい作業をコツコツ継続的に行い続ける根気も必要なため、性格的な向き不向きは確実にあります。

歯科技工士を志す前の段階で、そうした業務内容に向いているかどうか判断しておいた方が、いざ就職となった時に「やっぱり向いてなかった」となるケースは減らすことができるでしょう。

 

歯科技工士の技工物作成の流れ

歯科技工士の具体的な仕事内容としては、歯科医師の指示書にしたがい、入れ歯や歯の被せ物、歯の詰め物、矯正装置などを作成したり加工、修理を行ったりします。

歯科技師法により規定されている主な作成業務は以下の通りです。

 

  • クラウン(歯のかぶせモノ)
  • 総義歯(総入れ歯)
  • 局部義歯(部分入れ歯)
  • ブリッジ
  • インプラント
  • 矯正装置
  • マウスガード
  • エピテーゼ等の作成・加工・修理

 

以上の大半の技工物が歯科技工所で作られており、歯科医師は患者様の口に合わせて最終的な調整を行います。

近年ではデジタル技術が進歩したことで、口腔内や模型をスキャンしたデータを元とし、設計や加工の一部にCAD・CAMや3Dプリンターが導入されています。

 

技工物作成の流れとしては、診断、治療等を歯科医師が歯科医院で行います。その中で型取りをし、模型や指示書を作成します。

その次の段階での技工物の作成が歯科技工士の役割となります。

作成が完了すると、再び歯科医師の管轄に戻り、細かい調整と患者様の口腔内へのセットを行う、という一連の流れです。

 

歯科技工士は患者様の口腔内に触ってはいけない

歯科技工士は、歯科医師法、歯科技工士法によって、歯科助手などと同様、患者の口腔内を直接触ることは許されていませんが、治療の立ち合いをすることは可能です。

あくまで治療現場では歯科医師の指示のもとに動く形となります。

一般的に、歯科技工士は歯科医院で働くこともあるものの、それ以外にも歯科技工所に勤めたり自分で経営したり、歯科関連企業に就職したりするケースもあるため、基本的にお客様対応を要求されるわけではありません。

特に歯科医院においては、歯科医師や歯科衛生士、あるいはトリートメントコーディネーター(TC)である歯科助手がお客様対応をするため、歯科技工士にそうしたお客様対応の仕事が回ってくることはまずないと思っていいでしょう。

 

歯科技工士の離職率の圧倒的高さと歯科技工学生の減少傾向

歯科技工士の男女比率としては、令和4年の衛生行政報告書によると77.4%が男性、22.6%が女性で、男性の比率が高いです。全体としての年齢構成としては、50代と60代で実に半数以上となっており、若い世代になるほど人数が減ります。

というのも、歯科技工学生はこの30年で実に4分の1にまで減っており、教育機関が閉じざるを得なくなってしまったケースも増えています。

何より、離職率が考えられないほどに高く、そうした傾向を見るに、「とにかく若い人に人気がない職種」となってしまっています。

ちなみに、歯科技工士が新卒後5年で離職する確率は実に80%近いという、とんでもない数字が出ています。

歯科技工士をやめたい理由やめた方がいいと言われる理由、それはどちらも同じ理由が挙げられます。

 

歯科技工士はやめたがいい/やめたい理由

離職率が高く、歯科技工士を志す若い人が減っている理由は、歯科技工士を辞めたい理由と一定割合で共通しているかもしれません。

歯科技工士をやめたい理由/やめたがいいと言われる理由のトップ3は、以下の通りです。

 

  1. 給与(年収)
  2. 長時間労働
  3. 健康不安

 

歯科技工士の年収の低さ/長時間労働

歯科技工士の年収は、上記で見てきた通り決して低いわけではないのですが、それでももう一つの理由として挙げられている「長時間労働」と合わせて考えた場合、必ずしも効率がいいとは言い難い年収水準ということがわかります。

歯科技工士の労働環境は、職場によってかなり大きな差がありますが、職場によってはほとんど残業時間はないというケースもある一方で、今では考えにくいような長時間労働が残っている職場もあります。

「いつまでにこの技工物を納品しないといけない」など、残業せざるを得ないケースがあることも長時間労働につながる原因と言えるかもしれません。

 

健康不安がつきまとう歯科技工士

長時間労働と繋がってきますが、歯科技工士は健康不安を覚えて離職する方も少なくありません。

ずっと座ったままで作業するということで、運動不足になりがちですし、腰を痛めてしまったり、常に集中力を保って作業するのは、性格的に向いていないとどうしても続かないということもあるでしょう。

実際に業務にあたってはじめて、「あ、これは自分には向いていない」と感じるケースもあると思います。

何年も何年も続けていくにあたって、これは一生続けられる仕事ではないと、特に最近の若い方にはそう感じてしまう人が増えたのかもしれません。

 

歯科技工士として独立開業して年収1000万超えへ

歯科技工士として、歯科医院や歯科技工所で経験を積んだなら、将来的には自分で独立開業するという選択肢もあります。

技術の修練に加えて審美的なセンスも必要となりますが、数年程度の実務経験後に一人でやっていく自信がついたなら、一つの選択肢として独立開業は視野に入るでしょう。

ただ、問題となるのはやはり開業資金で、歯科医院の開業ほどではないとはいえ、それでも一般的には2000万近い開業資金が必要と言われているため、独立開業に踏み切るためにはある程度の覚悟も必要となります。

それでも、独立開業した歯科技工士の場合、年収水準が一気にアップし、年収1000万超えも夢ではなくなります。

そういう意味では「年収1000万超えの歯科技工士」を初めから視野に入れて、歯科技工士を志してみるのもありかもしれません。

 

 

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