歯科コラム
歯科医院の開業を、多忙な歯科医一人だけで行うのは至難の業です。
開業ノウハウに詳しい第三者のサポートを受けなければ、とても成功できません。
コンビニより歯科医院の数が多いといわれて久しくなりますが、今や全国の歯科医が10万人を超える時代。それなのに10年前に日本の人口はピークを迎え、減少に向かう一途です。今後ますます安定した集患は、難しい課題になっていくことでしょう。
保険制度の恩恵もあって、昔はなんとなく歯科医院を開いても大きな失敗はないものでしたが、今の時代は開業後3年くらいで経営難に陥るクリニックが珍しくありません。
「好きな治療だけやりたい」等と考え、なんとなく開業するのではなく、しっかりとした戦略を練って勝てる見込みのある開業をしなければ、長く安定経営を続けられないのです。
目次
費用の安さで大事なパートナーを選んではいけない
開業を成功させるためには、信頼できるパートナー「開業支援コンサルタント」を見つけることが決め手です。
歯科医の先生がクリニックを新規開業することになれば、あらゆる業界から「コンサルもできます、開業をお手伝いします」という声がかかります。利益を得るチャンスだからです。
なかには無料でとか、医院の設計や建築のオーダーや医療機器の購入の特典のような形で安価で請け負ってくれる業者も。「開業資金は少しでも節約したいから……」と、うっかり甘言に乗ってしまうと、とりかえしのつかない後悔につながりかねません。
「たかが業者の一人でしょ?」と軽視せず、開業支援コンサルタントはしっかりと見極めて選んでください。この選択が、将来、歯科医院の院長としてどんな人生を歩むことになるのか、明暗の分かれ道になるといっても過言ではありません。
歯科業界に詳しい開業支援コンサルタントを選ぶこと
開業支援コンサルタントは、開業専門である方が細やかな部分にまで配慮が行き届く傾向にあります。
本業が別にあり、サービスの一環としてコンサル業を行っている場合、基本は抑えているものの細かい部分については対応にバラつきがあります。
だからといって医薬品・医療機器系や設計・建設系、会計事務所系など、本業が他にあるコンサルタントであっても、すべてが本業の契約をとって利益を出すためだけに中途半端なサービスを行っているわけではありません。親身になって開業のサポートをしてくれるでしょう。
しかも、医療機器を安く手に入れられたり、資金調達に強くて初期投資を抑えられたりと、付随したサービスなど、それぞれの利点があります。
そうなるとコンサルタントの選び方のポイントは、どこにあるのでしょうか?
妥協してはいけないのが、歯科業界の知識です。
歯科業界に詳しくないコンサルタントと組んでも、競合対策や広告宣伝などの面で、的確なサポートを受けられません。
歯科専門になると少々料金が上がることもありますが、専門家をパートナーに据えるのは鬼に金棒。それだけの価値はあるでしょう。
開業後、経営が軌道に乗るまで支援実績はあるのか?
もうひとつ、押えておきたいポイントがあります。
それは、開業のサポートだけでなく、
開業後に経営が軌道にのるまで、責任をもってコンサルティングしてくれるかどうかという点です。
そこそこの物件をあてがってどんどんクリニックを開業させていくスタイルで利益を得ている業者はなく、戦略的な開業を行い、5年後10年後にも利益目標を達成できている成功している歯科医院になれるよう、きちんとサポートできる力をもっているコンサルタントであるかどうかです。
コンサルタント選定の際には、まず歯科業界の知識があるか、そして開業後の支援実績はあるのか、という部分に目を向けてみましょう。
そして、戦略的な開業のために、一緒に力を合わせて取り組んでいけるコンサルタントかどうか、しっかりと見極めてください。