歯科コラム
レセプトのオンラインでの返戻再請求のやり方は?メリットも解説!
レセプトに不備や間違いがあると、レセプトが差し戻しされる「返戻」が行われます。
返戻されたレセプトは、医療機関が補整して再請求を行うことが可能です。
これらの作業は、医療事務がオンラインで行えますが「ややこしくてやり方がわからない」と不安になる方もいるでしょう。
今回は、レセプトのオンラインでの返戻再請求のやり方やメリットを解説します。
関連記事:レセプトのオンライン請求の義務化はいつから?どう変わるのかも解説
目次
レセプトのオンラインでの返戻再請求
まずは、レセプトの返戻とはなにか、再請求する機関を解説します。
レセプトの返戻と再請求
医療機関が作成したレセプトの請求が認められなかった場合は、レセプトは差し戻しされます。
これを、「レセプト返戻」と呼び、改めて請求を行うことを「返戻再請求」といいます。
レセプト返戻で差し戻しされたレセプトは、医療機関が補正して、翌月分の請求の際に提出すると再請求が可能です。
ただし、再請求を行うと医療機関の報酬は1ヶ月以上遅くなるため、レセプトの作成は注意して行いましょう。
レセプトの返戻をする機関
レセプト返戻は、
- 社会保険診療報酬支払基金
- 国民健康保険団体連合会
の2つの機関で実施します。
「レセプト請求」「レセプト再請求」を行う場合に、請求先により方法が異なりますので覚えておきましょう。
【社会保険診療報酬支払基金】
レセプト返戻があった医療機関は、不備や誤りなどの修正箇所を確認・訂正し、翌月にレセプト遅れ(月遅れ)として社会保険診療報酬支払基金に提出する。
そうすると、社会保険診療報酬支払基金は、月遅れレセプトを当月処理分のレセプトと合わせて健康組合や協会けんぽに再請求します。
【国民健康保険団体連合会】
保険者は、市区町村や国保組合です。
国保連合会に設置されている「国民健康保険診療報酬審査委員会」に対して審査・支払いを依頼します。
レセプトの返戻再請求の方法
国保連合会もしくは支払基金から、オンライン請求を行う医療機関への返戻レセプトは、ダウンロードすることが可能です。
令和5年3月時点では、オンラインでレセプトの返戻を75%の歯科医院がダウンロードしています。
歯科医院でレセプトの返戻再請求は、まだ一部でしか実施されていないのが現状です。
関連記事:レセプトの月遅れ請求はオンラインでどうなる?やり方を解説
オンラインでの再請求の流れ
ここからは、オンラインでどのように再請求するのか順にお話しします。
1.返戻レセプトの確認
オンライン請求では、直近3ヶ月分の返戻レセプトを確認できます。
未ダウンロードのものがあれば、「処理状況」欄にダウンロードを促すように表示されます。
また、紙媒体の返戻レセプトも、返戻したかどうかをオンライン上で確認できます。
2.返戻データをダウンロード
オンライン請求システムから、返戻データをダウンロードします。
3.レセプトコンピュータに取り込む
返戻データをダウンロードして、レセプトコンピュータへ取り込みます。
4.返戻データの確認と修正
紙媒体のレセプトもしくは、オンライン請求時のデータと照らし合わせて確認と修正を行います。
5.再請求するレセプトデータを作成
レセプトコンピュータで、再請求するレセプトを作成します。
その後、オンライン請求用の端末にデータを読み込ませます。
6.再請求
当月請求のレセプトと合わせて、オンライン請求用の端末を用いて再請求するレセプトを送信します。
レセプト返戻をオンラインでするメリット
最後に、「レセプト返戻をオンラインでする」メリットを3つ紹介します。
1.電子レセプトを統一して管理できる
返戻レセプトはオンラインで請求すると、電子レセプトとして管理が統一されます。
2.セキュリティの強化
暗号化通信を行い、ネットワーク回線を利用してレセプトを送信します。
そのため、紙媒体による請求のように、搬送時に破損や紛失するリスクがありません。
3.エラー回避
人為的な記録ミスをチェックできるため、事前にエラーが防げます。
また、12日まででしたら当月のうちにレセプトを訂正し再提出が可能です。
(出典:厚生労働省_オンラインによる返戻再請求の実施についてのご案内より)
レセプトの返戻をオンラインで行い効率アップ
レセプトの返戻はオンラインで行うと、人為的なミスや紛失を防げます。
今まで、レセプトの返戻をオンラインで行ったことがない方も、手順さえ覚えれば効率よく仕事が行えます。
レセプトの返戻を行う方法をオンラインに変更して、セキュリティの強化やエラー回避につなげていきましょう。