【2024年】歯科衛生士を辞めてよかった! 辞めたい理由No.1はやはりこれ!
毎日毎日働きながら、本当は歯科衛生士を、今の職場を辞めてしまいたい、辞めたいけれど本当に辞めてもいいのか、それが正しい判断なのかわからない、と悩まれている人は意外に多いものです。
日本歯科衛生士会では、1981年から5年ごとに、「歯科衛生士の勤務実態調査」を実施しています。
直近では令和元年度に第9回目となる調査が行われており、その中で「現在、転職または勤務先を替えたいと考えている」割合が、20〜39歳で実に2割を超えているという結果も出ています。
歯科衛生士の「辞めたい」理由、そして、実際に「辞めてよかった」という声まで、今回の記事ではご案内していきます。
歯科衛生士の仕事の魅力
歯科衛生士自身が考える、歯科衛生士という仕事の魅力については、以下のような結果が出ています。
- 「国家資格である」96.1%
- 「専門性の高い仕事である」93.6%
- 「人や社会に貢献できる」91.6%
- 「人の命や健康を守る仕事である」91.4%
- 「人に直接関われる・手助けできる」88.2%
- 「転職・就職に困らない」76.2%
- 「収入が安定している」58.1%
つまり、歯科衛生士は一般的に自身の仕事に誇りと自信を持って働かれている印象が強いといえます。ここからは、「辞めたい」という気持ちはなかなか見つけにくいですね。
歯科衛生士が職場で改善してほしいこと
歯科衛生士が職場で改善してもらいたいことについてのアンケート結果は以下の通りです。
- 「待遇改善」 72.5%
- 「専門性・資格等の評価」61.3%
- 「教育研修等・レベルアップの機会の充実」 52.0%
- 「福利厚生の充実」 50.6%
- 「医療安全体制の充実」46.4%
- 「雇用の安定性の確保」45.7%
- 「業務量の軽減」42.1%
- 「多様な勤務形態・勤務時間の導入」39.0%
- 「院長等、職場での人間関係」38.5%
- 「休暇の取得」38.4%
- 「介護支援の充実」37.5%
- 「労働時間の短縮」29.5%
- 「子育て支援の充実」28.8%
当然と言えば当然の結果、と言えそうですが、やはり1位は「待遇改善」です。
逆に言えば、待遇が改善されれば満足度は大きく増すでしょうし、逆に転職先からよりよい待遇を提示されたなら、歯科衛生士の方は「辞めたい」と感じ、転職を検討し始める可能性もありそうです。
歯科衛生士免許の価値
歯科衛生士の方が感じる「歯科衛生士免許の価値」についてのアンケートには、8割の方が「歯科衛生士免許の価値を感じている」「歯科衛生士として誇りを感じている」という結果が出ています。
つまり、歯科衛生士という職業に対しては満足している人が多く、「辞めたい・辞めてよかった」という感想などはそこからは見えてきません。
勤務先を変わったことがある歯科衛生士
では、勤務先を変わったことがある歯科衛生士がどれくらいいるのか、というと、「常勤」では「勤務先を変わったことがない」は33.1%、「1回ある」が21%、「4回以上ある」が16.5%、「2回ある」が14.7%、「3回ある」が14%です。
以上の結果から見ると、勤務先を変わったことがない歯科衛生士の方は3割しかおらず、むしろ1回以上勤務先を変えたことがある歯科衛生士が多数派である、という事実が浮かび上がります。
それどころか、「4回以上ある」が16%もあるということで、歯科衛生士の定着率はかなり低く、転職については、かなり日常的に行われていると考えてもいいのかもしれません。
歯科衛生士が「辞めたい」と転職を考える理由
歯科衛生士が転職を考える理由は、やはり多くの方が想像する通りです。
- 「給与・待遇面」38.3%
- 「仕事内容」29.6%
- 「勤務形態・勤務時間」22.8%
- 「経営者との人間関係」19.6%
- 「同僚との人間関係」16.5%
- 「仕事内容のレベルアップのため」13.3%
- 「歯科以外への興味」13.1%
何をおいてもやはり、給与や待遇が、歯科衛生士に「辞めたい」という気持ちを呼び起こし、転職に至るきっかけになる可能性が最も高い要因と考えることができそうです。
ただ、別に「実際に職を変えた理由」というアンケートもあるのですが、そちらでは上位に「結婚」が入り、ついで「経営者との人間関係」、「出産・育児」が続き、その次が「給与・待遇面」です。
そのため、「辞めたい」と考える時点では「給与・待遇」がもっとも大きな要因ではあるものの、実際に転職に至った要因としては、それよりも職場での人間関係や、自身の環境の変化が最も大きい、と考えることができます。
辞めてよかった? 辞めた後の不安
歯科衛生士を実際に辞めてしまった場合、本当に「辞めてよかった!」と言えるのでしょうか。
多くの方が、辞めたら辞めたで、苦労するかもしれないという不安も抱えているのではないでしょうか。
特に、歯科衛生士としての勤務先の変更ではなく、歯科衛生士そのものを辞めてしまおうという場合、大きな不安がつきまとうものです。
辞めてよかった? 学歴の不安
歯科衛生士になるために培った学歴は、あくまで歯科衛生士に特化したものであるケースがほとんどです。
例えば専門学校であったり、短期大学であったり、そうした学歴が他の職種で通用するのかは、かなり微妙なところです。
もちろん、職種によっては歯科衛生士としての経験や知見、能力を欲している職ももちろん存在しますが、その数はかなり限られていると言って間違いありません。
そのため、歯科衛生士が他の職種へと転職を考える場合には、どうしても学歴が大きなハードルとなってしまうのです。
辞めてよかった、と心から言いにくいのは、そうした学歴面での不安を抱えているから、というケースがあります。
辞めてよかった? 社会人としての一般常識
歯科衛生士はもちろん社会人ですが、一般的な企業勤め、ということになると、すべて一からのスタートとなり、それまで培っていた経験知見は完全に使えなくなり、それとは逆に、今まで全く必要としなかったビジネスマナーや一般常識が急に要求されることととなります。
これが、歯科衛生士が一般職へ転職を考える際の大きなハードルとなってしまいます。
辞めてよかった、と心から言えるようにするためには、辞める前の事前準備として、社会人としての一般常識について学んでおくといいかもしれません。
辞めてよかった? 収入面
歯科衛生士は、経験や能力にもよるものの、比較的収入面では安定しており、高収入も狙える職種といえます。
しかし、まったく別の職種に転職してしまった場合、思った以上に給与が下がってしまったり、下がらなくても昇給が見込めなくなってしまうケースは非常に多いと考えて間違い無いでしょう。
まずはそうした、収入面での条件を間違いなく確認した上で、歯科衛生士を辞めるという決断は下した方がいいといえそうです。
辞めたよかった、と言えるようにするためには、収入面をしっかり確認した上で次の色へと移るようにしましょう。
採用の不安・次が決まってこそ「辞めてよかった」と言える
そもそもの話になりますが、歯科衛生士としての経験を持ちながら、他の職種に応募したとして、採用してもらえるのか、という問題があります。
未経験歓迎の職種であればともかく、ある一定の経験を条件とされている場合には圧倒的に不利になり、転職したいと考えても採用自体されない可能性がありjます。
求めているところはそこではない、と言われてしまってはどうすることもできません。
収入面と合わせて、確実に採用してもらえるとわかってから、ないしは採用が決定するまでは、歯科衛生士を辞めるという決断は下さない方がいいでしょう。
それでも歯科衛生士を辞めてよかったという意見
実際に仕事を辞めてよかった、と感じられるシーンとしては、当然のことながらその裏に「辞めたい原因」があり、それが解消されたからこそ「辞めてよかった」と思うことができるわけです。
そのため、辞めた直後は多くの方が、「辞めてよかった」という気持ちを持つと思います。
しかし、その気持ちに続いてやってくるのが、これから先、やっていけるだろうか、という新たな不安です。
歯科衛生士は辞めてもまた歯科衛生士を選んでしまう傾向がある
実際に歯科衛生士として歯科医院を辞めてしまっても、結局別の歯科医院に再就職してしまうケースは非常に多いといえます。
理由は単純明快です。
何より、慣れた仕事であること。
コンビニエンスストアよりも多いという歯科医院は慢性的な人手不足の職場であるため、就職先には全く困らないこと。
別の職種に就職すると、すべてが一からスタートになり、収入的にも減ってしまう可能性が高いこと。
そもそも別の職種には面接で受からないこと。
これらの要因から、結局歯科衛生士を辞めてしまったとしても、結局また別の歯科医院で歯科衛生士として働く、ということになりがちというわけです。
辞めてよかった、しかし、また歯科衛生士に就職しました、という人は非常に多いのです。その結果としての、上記アンケートでの職場を変えたことがある歯科衛生士の多さ、ということができます。
歯科医院を変えると辞めてよかった、と心から思えるケースも
歯科衛生士をやめた原因が収入面の場合、他の歯科医院に再就職してもそれほど大きく変わることはないかもしれませが、劇的に環境が改善されたと感じる可能性が高いのが、人間関係についてです。
そもそも院長先生との相性が悪かった場合、その職場で長く続けていくのは苦痛でしか無いでしょうから、これが別の人になるのなら、歯科衛生士として別の歯科医院に転職するのは非常にいい手段と言って間違い無いでしょう。
同じように、同僚との関係性でも同じことがいえます。
歯科衛生士が職場の人間関係で悩んだ場合にとるべき最高の一手は、転職です。
同業他院はいくらでもある、引くて数多で売り手市場、人材不足業界と考えると、歯科衛生士は最高の職業ということもできそうです。
辞めたい歯科衛生士から辞めてよかった歯科衛生士へ
昨日までは「辞めたい歯科衛生士」だったかもしれません。
しかし、一つの決断で、それが「辞めてよかった歯科衛生士」に変わることができます。
様々な状況を把握、理解した上で最適な判断を選んでいきましょう。
最後に「歯科衛生士を辞めてよかった体験談」を二つほどご紹介します。
「歯科衛生士を辞めてよかった」体験談
体験談1:個人歯科医院から大手医療法人への転職
小さな個人歯科医院で働いていました。
人間関係や労働環境としては良好だったのですが、どうして給与面で不満がありました。
働きながら転職先を探して、給与面で納得できる大きめの医療法人を見つけて転職しました。
その結果として、年収はかなり額上がって、満足しています。
業務内容としてはややハードになった面もありますが、頑張った分給与に反映してもらえるという話も同じ職場の歯科衛生士から聞いており、やりがいがあります。
個人歯科医院での歯科衛生士は辞めてよかったです。
体験談2:人間関係が合わず歯科医院を渡り歩いた結果
人間関係がどうしてもうまくいかず、3つほど歯科医院を辞めました。
辞めた直後は苦しさから逃れることができて心の底から「辞めてよかった!」と思えましたが、時間が経つとこれからどうしようという不安に毎回苛まれました。
歯科衛生士はこりごり、と思っていましたし、歯科衛生士を辞めてよかったと心から思っていたんですが、別業種で再就職先を探す難しさを思い知りました。
結果として今は、また歯科医院で歯科衛生士として働いています。
幸いにも人間関係にはようやく恵まれ、給与面は決して恵まれているとはいいにくいですが、今はそれなりに満足しています。
体験談3:院長のパワハラに耐えられず転職
同僚や先輩歯科衛生士との関係性は良好でしたが、院長がかなり自己中心的な性格で、パワハラが日常茶飯事でした。歯科衛生士全員から嫌われている院長で、離職率も非常に高い職場でした。
私はかなり我慢した方ですが、自分でも気づかないうちにかなりメンタルが追い詰められていたんだと思います。
ある日どうしても我慢できないことがあり、他の人たち同様、辞めることを決意しました。
他の同僚たちが辞める時にかなり揉めている場面を見てきたので、どうしても辞めると直接言うことができず、結局今流行りの退職代行を利用しました。
その際に聞いたのですが、実は医療関係の人が退職代行をお願いするケースはかなり多いそうです。最初から悩まずお願いすればよかったと思いました。
今は別の仕事をしていて、すべて片付いた今は、心の底から歯科衛生士を辞めてよかったと思っています。