歯科コラム
一般的に、歯科医院を新規開業するには、5,000万円~1億円程度の資金が必要です。
「そんな資金、そう簡単に用意できない!」と思う方も多いでしょう。
確かに、自己資金だけで開業資金を賄うのは現実的ではありません。
では、成功している歯科医院では、どのように資金を調達しているのでしょうか?
今回は、関業を目指す歯科医にとって気になる開業資金の調達方法や、開業資金を賢く節約するコツなどについてもお話ししたいと思います。
目次
歯科開業にかかる開業資金目安
歯科開業にかかる、開業資金のおおよその目安をご紹介します。
こだわればそれこそ必要資金は青天井となってしまうため、今回は最低ラインの費用で算出しました。
もちろん、あくまで目安ですので、さまざまな状況に応じて実際にかかる費用には大きな開きが出ると考えておきましょう。
医療機器・設備・材料費・・・2,000万円
賃貸・内外装設備・工事費・・・1,500万円
当面の運転資金・・・1,000万円
広告・求人費・・・200万円
一般的にクリニックの開業資金は、心療内科や精神科を除けば8,000万円前後かかると言われていますので、それと比べれば一見安くも見えますが、設備費がかさめばかさむほど内科や外科などのクリニックと変わらない程度の費用が発生してしまいます。
歯科開業で失敗しない、開業資金を損しないためのコツ
「予想以上に費用がかかった」「用意していた資金では足りなかった」といった失敗を避けるためには、歯科医院の開業は慎重に計画を立てる必要があります。
まずは、開業コンサルタントや税理士といった開業や資金調達のプロ・専門家に相談しましょう。成功している歯科開業医も、多くはこうしたプロのサポートを受けています。
重要なのは、歯科医院の開業に特化した経験豊富なコンサルタントや税理士を選ぶことです。
知識のある専門家に依頼することで、結果的に多額の費用がかかる場合もありますが、そこを節約しようとするのは避けてください。
費用が安いからといって、歯科に詳しくないパートナーを選ぶと、後々大きなトラブルや損失を招く可能性があります。開業で失敗しないためには、適切なパートナー選びが重要です。
歯科専門の税理士やコンサルタントがいると、資金調達や準備がスムーズに進み、開業も成功しやすくなります。
彼らとの信頼関係を築き、計画を一緒に進めていきましょう。
忙しさや面倒さからすべてを任せきりにしてしまうと、後々大きな失敗に繋がる可能性があります。
歯科の開業資金は節約できる!
歯科医院を開業する際、どのくらいの資金が何のために必要になるのでしょうか?あらかじめ内訳を知っておいて計画的に準備を進めれば、開業資金の節約ができます。
①開業場所の物件費
歯科医院を開業する際に最も大きな費用となるのは、物件に関するコストでしょう。
戸建てにするのかテナントに入居するのか、また購入か賃貸かによって必要な資金は大きく異なります。
さらに、駅前などアクセスの良い立地か、郊外か、東京や大阪などの都市部か地方かによっても相場が変わります。
一般的には、戸建ての購入なら最低でも3,000万円~、テナント入居の場合は500万円~が目安となります。
②広告宣伝費・求人費
広告宣伝費は、早い話が目立つ場所に開業できれば、最低限の広告宣伝費のみに節約できます。
歯科医院のホームページ制作を実施しておけば、あとは勝手にインターネット検索やマップ検索によって集患ができる、というケースもあり得ます。→デンタルWEBにお任せください
広告宣伝費には、スタッフ採用のための求人広告と、患者集めのための広告の2種類が必要です。
これには100万~200万円ほどの予算が必要ですが、もし駅前などアクセスの良い立地に物件を選べば、広告費を抑えることができます。
ただし、物件が看板だけで目立つ場所でなければ、広告に頼らず集患できるわけではありません。
特に、人通りの多い場所から見えるか、他の建物に隠れていないか、コンサルタント任せにせず、必ず確認することが重要です。
また、競合するクリニックが近くにある場合は、共存可能か、競争に勝てるかどうかも検討しましょう。
最終的に、安定した診療報酬を得られる場所での開業が資金計画の安定に繋がります。
③内装・外装工事費
テナント入居時には内装工事が必要となり、その費用は坪単価30万~80万円が相場です。
広さによって異なりますが、全体で約1500万~2000万円がかかることが一般的です。
細かい家具や看板等の費用も考慮しておく必要があります。
こだわりが増すほど費用も増えるため、ターゲット層のニーズを踏まえて検討しましょう。
また、以前に歯科医院が入っていた「居抜き物件」を利用すれば、内装費を節約できますが、空間が思い通りにならない点や、前医院の評判が集患に影響するリスクがあります。
前医院が退去した理由も確認することが重要です。
④医療機器・設備・材料費など
CTや顕微鏡(マイクロスコープ)などの高価な医療機器を導入するか、またユニットの台数にもよりますが、約3000万円は見込んでおく必要があります。
さらに、医師会への入会費やスタッフ研修費など、開業に伴う雑費も無視できません。これらを積み重ねると、数百万円規模の費用がかかることがあります。
また、開業後は診療報酬が実際に振り込まれるまで約2カ月間は収入がないため、その期間の運転資金を現金で確保しておくことが重要です。
物件に関わる部分でもありますが、敷金礼金や家賃等も必要になります。
資金調達の方法・融資や補助金
歯科医院の開業は、自己資金だけで全てを賄うのは一般的に難しく、銀行や信用金庫からの融資が不可欠です。
融資には担保や保証人が必要になることが多いですが、日本政策金融公庫の創業融資も活用可能です。
これは、新たに事業を始める際や開業後に、無担保・無保証で設備資金や運転資金を借りられる制度です。
融資を成功させるためのポイントや各種金融機関からの融資を受けるコツについては、こちらの記事をご参照ください。
その他にも、申請すれば必ずしも受けられるわけではありませんが、創業・事業承継補助金やIT導入補助金など、公的機関からの補助金・助成金の対象になる場合もあります。
こうした制度の利用を含め、資金調達の方法については、歯科医院開業に詳しいコンサルタントや、歯科専門の税理士事務所のサポートを受けて効率よく進めていきましょう。
良い関係を築くことができれば、開業後も安定経営を継続していくために、心強いサポーターとなってくれることでしょう。
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